ドームカメラのIR反射(赤外反射)

5月, 2021

まとめ

    ドーム内に3つのIR LEDライトを備えたドームカメラ

赤外線(IR)イルミネーターが統合されているカメラを使用することで、暗闇でも映像監視を行うことができます。しかし、反射光の一部がカメラに入る場合があります。これにより、画像が曇ったり、ドームにミラー効果が発生したりして、画質が低下する可能性があります。通常、こうした問題には以下の原因が考えられます。

  • 壁やポールなど、近くに存在する物体

  • ドーム上の水滴、汚れ、ほこり

  • カメラに向けられる外部光源

以下の方法で反射を減らすことができます。

  • IRビームの近くに壁、ポール、天井、窓、または反射率の高いその他の物体が存在していないことを確認する。

  • 天候の影響をあまり受けない場所にカメラを設置する。

  • 定期的にドームを掃除する。

  • 外部からの光がカメラに当たらないようにする。

  • カメラのレンズを極力傾けない。

Axis OptimizedIRテクノロジーにより、IR強度を調整し、IRビーム幅を最適化することができるため、反射を減らすことが可能となります。

淡い色合いのセミスモークドームを使用することで、反射の影響を減らすこともできます。

はじめに

IRイルミネーター内蔵カメラを使用することで、夜間や暗闇でも映像監視を行うことができます。赤外線照明により、光害を最小限に抑えながら、ナイトモードビデオに目立たない光が供給されます。

しかし、場合によっては、光の一部が反射してカメラ内に入り、画像に曇りやぼやけが発生したり、ドームにミラー効果が生じたりすることがあります。これにより、映像の画質が大幅に低下する可能性があります。

本ホワイトペーパーでは、このタイプの反射の主要原因およびこの問題を回避する方法について概説します。

反射の種類と防止方法

カメラの赤外線照明がカメラの近くにある物体やドームの上にある物体に当たると、不要な反射が発生します。外部光源がカメラに向けられている場合も、同じ影響が発生する可能性があります。

近くの物体に対する赤外線照明の反射

壁、軒、天井などの物体により、カメラの赤外線照明が反射してカメラに入る場合があります。この影響の大きさは、物体の近接度と表面によって異なります。経験則として、金属やガラスなどの明るく光沢のある表面は、色の暗い表面やマットな表面よりも多くの光を反射します。

  1. 赤外線照明の視野
  2. カメラの視野
  3. 反射される赤外線照明

円錐形のIRビームが近くの壁、ポール、天井、窓、または反射率の高いその他の物体から離れるようにカメラを配置して、照準を合わせます。カメラの照明角度が画角よりも大きい場合があるため、ビデオ画像を見ることで、物体がIRビームパス内にあるかどうかを判断できるとは限りません。

カメラを反射率の高い表面の近くに設置する必要がある場合は、反射を減らすために、表面を塗装または覆うことを検討してください。

ドーム表面の物体に対する赤外線照明の反射

ドームの汚れ、ほこり、またはクモの巣により、カメラ自体の赤外線照明がレンズに反射するため、画質が大幅に低下する可能性があります。水滴、雪、氷により、同様の問題が発生することもあります。

天候の影響をあまり受けない場所にカメラを設置してください。水滴がよく問題になる場合は、オートバイのヘルメットのバイザーに使用するような撥水スプレーを定期的に使用すると、問題を改善できる場合があります。

定期的にドームを掃除して、汚れやほこりを取り除いてください。この場合、カメラに傷が付かないように、中性洗剤、水、柔らかいマイクロファイバークロスを使用します。ドームのほこりは、圧縮空気スプレーを使用して取り除くこともできます。

ドームに対する外部光源の反射

別のカメラからの赤外線照明やランプの白色光により、ドームで反射が発生する可能性があります。この場合は、カメラまたは外部光源のいずれかを移動する、あるいは角度を変えることで、光がカメラに直接向けられないように設定することを検討してください。

レンズへの赤外線照明の流れ込み

設置する高さによっては、目的のエリアを撮影するために、カメラレンズを傾ける必要性が発生する場合があります。しかし、傾ける角度が大きくなるほど、レンズを保護しているゴム製シール全体に、統合LEDからの赤外線照明が漏れるリスクが高くなります。通常、このシールは光の干渉を防ぐ役割を果たします。

カメラを壁や天井に設置する場合は、レンズをできるだけ傾けないでください。また、レンズ周囲のゴムリングを外したり、傷付けたりしないでください。ゴムがドームに接触していることが重要となります。

反射を減らすための一般的な解決策

Axisは、一般的な反射リスクを削減できる追加の手段をいくつかご提供しています。

OptimizedIR

Axis OptimizedIRテクノロジーにより、IRイルミネーターの角度が設置時に設定されたズームレベルに自動的に調整されます。これにより、カメラビューの外側の光量が最小限に抑制される一方で、IRビームが近くにある表面に到達して反射するリスクが低下するため、照明が均一な画像を確実に撮影することができます。OptimizedIRを利用することで、IR LEDの強度を調整して、反射を減らすことも可能です。

ハーフスモークドーム

一部のカメラには、ハーフスモークドームが同梱されています。薄く着色されたこのドームにより、反射の影響を軽減することができます。ほとんどのカメラで、スモークドームをアクセサリーとして入手することが可能です。しかし、スモークドームにより、カメラの光感度が低下することにご注意ください。