4Kカメラのセンサーサイズと画質

7月, 2021

概要

大型センサーを搭載した4K解像度のカメラは、高解像度と大きなピクセルを備えています。この組み合わせにより、特に低光量の場所で、他の4Kカメラよりも優れた画質を得ることが可能となります。

はじめに

優れた監視映像をキャプチャーするには、監視目的を満たす解像度の映像を捉えることができる高品質のイメージセンサーを搭載したカメラが必要となります。解像度は、センサーと対応するレンズのピクセル数によって決まります。しかし、ピクセルサイズによっても、画質に大きな影響がもたらされます。通常、センサーが大型になるほど、ピクセルサイズも大きくなります。

本ホワイトペーパーでは、センサーサイズにより画質にもたらされる影響についてご説明し、Axisの4Kカメラのセンサーサイズの比較をご紹介します。

デジタルイメージセンサーの仕組み

すべてのデジタルカメラにおいて、イメージセンサーは重要なコンポーネントとなります。イメージセンサーにより、レンズから入ったシーンのすべての部分の光が電気信号に変換されます。この信号により必要な情報が伝達されることで、カメラで追加の増幅と処理が実施され、シーンのデジタル画像が再生されます。

光は、電磁波の量子かつ電磁力の媒介粒子である光子で構成されています。雲の合間から太陽の光が射すなどしてシーンの光の強度が高まると、カメラに向かう光子が増えます。

カメラのイメージセンサーは、何百万もの光検出器(感光性スポット)で構成されています。この色情報を持つ最小要素が一般的にピクセルと呼ばれます。センサーにより、光子が吸収されて電子に変換されます。本質的に、入射光が電子信号に変換されるということです。指定された期間、つまりカメラの露出時間または露光間隔で光子が継続的にキャプチャーされます。この期間が終了すると、ピクセルが読み取られて、その電荷が測定されます。新しい露光間隔が開始されると、新しい光子が再びキャプチャーされます。

各ピクセルには特定のサイズがあり、特定数の光子を保持すると飽和状態になります。露出時間が長い場合、またはシーンが過度に明るい場合は、露出時間が終了する前にピクセルが飽和する可能性があります。つまり、ピクセルがいっぱいで、これ以上光子をキャプチャーできない状態になるということです。ピクセルが飽和すると、画像が露出オーバーになります。

異なる解像度の影響

監視業界でより高い解像度の製品が求められるようになっている状況の中、メーカーは通常、センサーを大型にすることで発生するコスト増を回避するため、同じサイズのセンサーを維持しようとします。これにより、同じセンサー内により多くの光検出器を組み込む必要性が発生します。そうすると、各ピクセルがより小さくなるため、入射できる光子数が少なくなります。その結果、各露光間隔後の電荷が低くなり、画像を形成するためには、各ピクセルからの電気信号をより多く増幅する必要性が発生します。ピクセルが小さいと、信号が低いためにSN比(信号雑音比)が一般的に低くなります。

そのため、同じサイズのセンサーのピクセル数を増やせば、解像度は向上しますが、画像の品質が低下する可能性があります。画像ノイズによる悪影響を受けやすい低光量シーンでは、品質低下の可能性が高まります。センサーのサイズを大きくすれば、各光検出器でより多くの光子をキャプチャーできるため、ノイズが低下してより強力な信号を生成できるようになります。

大きいピクセルのメリット

他すべての側面が同等である4Kカメラと比較すると、高解像度と大きなピクセルの大型センサーを搭載したカメラのほうが、特に低光量の場所でより優れた画質を生成することができます。

大型センサーのメリットを十分に活かすには、センサーに対応するようにカメラの設計全体を調整する必要があります。明らかな例として、レンズを新しいサイズに適合させ、センサーの解像度と一致させる必要性が挙げられます。これにより、カメラが物理的に大型になります。

信号レベルが高いほどノイズが低下

SN比とは、目的の信号レベルを背景ノイズのレベルと比較する尺度です。ピクセルが大きいセンサーでは、特定の露光間隔でより多くの光子が各ピクセルにキャプチャーされます。これにより、より高いレベルの信号が提供されるため、より高いSN比が実現します。センサーからのノイズが少ないほど、より鮮明ではっきりした画像が生成されます。

各ピクセルでより多くの光子をキャプチャーできれば、生成されるデジタル画像信号がより強力になります。これはすべてのシーンに当てはまりますが、特に低光量のシーンやシーンに低光量のエリアが存在する場合に顕著です。これは、こうした状況では、より多くの増幅が必要となることでノイズが高まるためです。そのため、ピクセルが大きいほど、画像全体のノイズが少なくなり、低光量のシーンにおける性能が向上するというわけです。

光子吸収能力が高いほど、より動的なイメージングが可能

ピクセルが大きいほど、各ピクセルが飽和する前により多くの光子を保持することができます。これにより、1回のカメラ露出でより広いダイナミックレンジをキャプチャーできるようになります。しかし、ピクセルサイズが大きければ、より短い時間でカメラに十分な光子を取り込めるため、露出時間を短縮することができます。露出時間が短いほうが画像の結果をより自由に制御できるため、多くの場合、露出時間の短縮が求められます。たとえば、露出時間を短くすることで、動きの速いシーンをより適切にキャプチャーでき、動きによる画像のブレを低く抑えることが可能となります。

1回の露出で各ピクセルからより広いダイナミックレンジを再現する可能性を、全体的なWDR(ワイドダイナミックレンジ)画像技術と混同しないでください。これは通常、さまざまな多重露光が組み込まれており、極端なダイナミックレンジのシーンをキャプチャーするために必要となる場合があります。

Axisの4Kカメラのセンサーサイズ

Axisは、4K解像度と大型センサーを搭載したカメラを含め、さまざまなセンサーサイズのカメラを提供しています。他ほとんどの4Kカメラの4倍以上のピクセルを備えた大型センサーを搭載したカメラを利用することで、低光量の場所でも、鮮明ではっきりした高解像度映像を容易に捉えることができます。こうしたカメラは、4Kの高解像度と最高の低照度カメラの優れた感度を兼ね備えています。

特定の4Kネットワークカメラにおけるセンサーサイズとピクセルサイズの比較。大型センサーを搭載したAxisプレミアム4Kカメラのセンサーサイズとピクセルサイズは、一般的なプレミアム4Kカメラや業界のプレミアム4Kカメラの4倍以上です。
  1. センサーサイズ
  2. ピクセルサイズ
  3. Axisプレミアム4K 4/3”センサー
  4. 業界のプレミアム4K 1/1.8”センサー
  5. 一般的な4K 1/2.5”センサー