エッジツーエッジ技術
はじめに
エッジツーエッジ技術により、異なるタイプのAxisデバイス間の接続がより容易になります。スマートペアリングを有効にし、カメラ、レーダー、インターコムに簡単に機能を追加できます。
本ホワイトペーパーでは、エッジツーエッジ技術の機能の仕組みと活用方法についてご説明します。
エッジツーエッジとは?
通常エッジデバイスとは、データ生成機器です。これは、ネットワークのバックボーンではなく、ユーザー(またはクライアントデバイス)の近くに配置されるネットワークデバイスです。Axisはセキュリティ向けエッジデバイスのエキスパートプロバイダーです。弊社の包括的なポートフォリオには、ビデオカメラ、スピーカー、マイク、インターコム、レーダー、センサーが含まれており、これらはすべてIPベースです。
エッジ デバイスの定義に基づいて、エッジツーエッジ技術により、エッジデバイスを相互に接続すること、またはペアリングすることが可能で、システムのコアと通信する必要性が排除されます。
機能の柔軟性
エッジツーエッジ技術を活用することで、視覚監視のニーズに合うカメラを選択できますが、必要となる他の機能がすべてカメラに備わっているとは限りません。こうした場合に、スピーカー、マイク、インターコム、レーダーなどの追加ハードウェアの機能を、選択したカメラに柔軟に追加することができます。追加したデバイスをニーズに合う場所に配置するだけで、カメラを再設置または移動することなく設定を変更することが可能となります。
システムという観点からは、ペアリングによって追加された機能がカメラに統合されると捉えることができます。ペアリングしたデバイスはVMSに接続される必要はありません。そのため、AxisのスピーカーなどがサポートされていないVMSも柔軟に使用することが可能となります。音声出力機能を搭載したAxisカメラが、VMSでサポートされていればよいだけです。
ただし、メインデバイスがカメラである必要はありません。インターホンの機能に映像を追加するために、カメラとインターホンをペアリングすることもできます。また、スピーカーとレーダーを組み合わせて、レーダーに音声出力機能を発揮させることもできます。
カメラとデバイスのペアリング
エッジツーエッジ技術を通してAxisカメラをネットワーク接続されたスピーカー、レーダー、マイクとペアリングすると、デバイスの機能がカメラの元の機能と共にカメラGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)に統合されます。そのため、音声機能を備えていないカメラをスピーカーとペアリングすると、カメラのGUIで音声設定を直接制御できるようになります。VMS(ビデオ管理ソフトウェア)で、カメラが統合音声出力を備えたカメラとして認識されます。そして、再生された音声がカメラによりスピーカーにリダイレクトされます。
インターカムとデバイスのペアリング
エッジツーエッジによるカメラのペアリングにより、音声インターコムにビデオ機能を追加できます。ペアリングすると、インターコムはカメラのビデオストリームを取得し、VMSコールまたはSIPコールの送信先に送信します。インターコムから内蔵カメラと同様に制御することができます。

レーダーとデバイスのペアリング
カメラのペアリングまたは音声のペアリングにより、レーダーにビデオまたは音声機能を追加することができます。Audio pairing (音声ペアリング) により、互換性のあるAxisネットワークスピーカーをレーダーの一部であるかのように使用できます。ペアリングが完了すると、レーダーのwebインターフェースからスピーカーを制御し、音声クリップを再生したり、音声を送信したりすることができます。
デバイスのペアリング、レーダーの自動追尾サービスもエッジツーエッジに基づいています。このサービスはAxisレーダーに内蔵されているため、PTZカメラとレーダーが非常に近くに設置されている場合にこれを使用することができます。これは、レーダーによってカメラが直接制御されるエッジツーエッジのソリューションとなります。
要件
両デバイスがネットワークに接続されており、メインデバイスのデバイスソフトウェアでエッジツーエッジがサポートされていることが条件となります。デバイスのIPアドレス、ユーザー名、パスワードを入力するだけで、メインデバイスのWebインターフェースでそのデバイスを直接ペアリングすることができます。
デバイスとカメラをペアリングする場合は、カメラをVMSに接続する前にペアリングする必要があります。これは完全な対応製品を確保するためです。また、VMSから直接JSON API(アプリケーションプログラミングインターフェース)を呼び出して、デバイスをペアリングすることもできます。
ポートキャストとのエッジツーエッジ比較
数年前から、Axisは主にエッジツーエッジと同様の機能を実現できるハードウェア製品を提供しています。ポートキャストにより、接続されているデバイスで音声とI/Oインターフェースを使用できるようになります。
ただし、ポートキャストにはいくつかの制限がかかります。ポートキャストはアナログ音声を対象として設計されているため、アナログをデジタルに変換する別のハードウェアを追加しない限り、Axisスピーカーには使用することができません。また、ポートキャストデバイスは屋内専用です。このデバイスにより、電力も消費されます。そのため、追加のハードウェアや電源が不要で、屋内と屋外の両方に対応した製品で使用できるエッジツーエッジは、より便利なソリューションとなります。