アンテナや高感度無線機器の近くの設置
概要
Axis製品は国際的な電波に関する適合性 (EMC) 規格の認証を取得していますが、特殊な環境では、標準的な試験パラメーターを超える課題が生じることがよくあります。
相互干渉を防ぐため、Axisデバイスは無線通信アンテナの近くに設置しないでください。また、堅牢なケーブルシールドを使用し、デバイスのケーブルを適切に配置してください。
推奨事項:
デバイスおよびそのパワーインジェクターを無線通信アンテナから3 m (10 ft) 以上離して設置してください。これにより、両方のシステムが放射干渉から保護されます。
伝導干渉を低減するために、シールド付きイーサネットケーブルを使用してください。シールド性が最も高いSF/FTPケーブルをお勧めしますが、S/FTPケーブルも使用できます。
さらに保護を強化するために、シールドケーブルを接地された金属製の導管に通し、無線機器からできるだけ離れた場所に設置することができます。
Axis製品が取得している一般的な認証とは異なる、特定の地域、地方、または業界固有の規格が存在する場合があります。電磁波に特に敏感な環境では、設置がその環境の特定の要件を満たしていることを確認するため、現場で試験を実施することをお勧めします。
はじめに
高感度無線通信の送信機や受信機は、電子機器から影響を受けることがあります。この物理現象は、電磁干渉 (EMI) として知られています。
このホワイトペーパーは、アンテナや高感度無線機器が設置されている場所へのAxisデバイスの設置に関する背景情報と一般的なガイドを提供します。電波に関する適合性 (EMC) の基本原理と、設置に関する推奨事項の根拠について解説していますので、設置の計画や実施において、十分な情報に基づいて判断することが可能になります。
電波に関する適合性と認証
電子デバイスは、電磁エネルギーを発し、受け取ります。電波に関する適合性 (EMC) とは、デバイスが近くにある他の機器に干渉を与えたり、外部の電磁源から悪影響を受けたりすることなく、その電磁環境において意図された通りに動作できる能力です。
したがって、EMCという概念は、互いに異なるものの関連する「エミッション」と「イミュニティ」という2つの側面を包含しています。
電磁放射 – デバイスが周囲に放射または伝導するエネルギー
電磁耐性 – デバイスが外部からの干渉を受けた際に正常な機能を維持する能力
多くの国の規制当局は、電子製品が市場に投入される前に、定められたEMC規格を満たすことを求めています。これらの規格は、エミッションについて具体的な制限値を規定するとともに、動作に必要なイミュニティの最低基準を定めています。Axisデバイスは、意図される環境に適用されるEMC規格に対して、試験され、認証を受けていますが、一般的な規格への準拠は、あらゆる状況において完璧な性能を保証するものではありません。強力な無線送信機や高ゲインアンテナの近くの設置では、標準的な試験パラメーターを超える条件が生じることもよくあります。そのような場合、厳格な設置手順に従うことが、デバイス自体の性能と同様に重要です。
さらに、Axis製品が取得している一般的な認証とは異なる、特定の地域、地方、または業界固有の規格が存在する場合があります。電磁波に特に敏感な環境では、設置がその環境の特定の要件を満たしていることを確認するため、現場で試験を実施することをお勧めします。
干渉の経路
電磁干渉 (EMI) は、主に空気中に放射される経路と、ケーブルを介して伝導される経路の2つの結合経路によって電子機器に到達します。
放射干渉は、電磁波として空気中を伝播します。この干渉の強度は、距離とともに大幅に弱まっていきます。
伝導干渉は、相互接続されたケーブルを伝って伝播します。アンテナの近くを通るケーブルは、それ自体が意図しないアンテナとして働き、電磁エネルギーを拾ってデバイスに直接伝達してしまうことがあります。ケーブルの露出部分が長いほど、またケーブルが通る場所が干渉源に近いほど、ケーブルはより多くのエネルギーを拾います。
これら2つの干渉タイプは挙動が異なりますが、多くの場合は関連しています。空気中を伝播する信号が近くのケーブルに拾われ、伝導干渉になることがあります。これら2つの経路を理解することで、機器をスマートに配置し、慎重にケーブルを管理して、設置をしっかりと保護することができます。
干渉とシールド
効果的な設置方法は、電磁エネルギーがケーブルやデバイスとどのように作用し合うかを理解することに基づいています。
意図しないアンテナとしてのケーブル
交流電流が流れる導体は、周囲に電磁エネルギーを放射します。逆に、電磁界にさらされた導体は、その内部に電圧が生じます。この物理的な原理によって、送信アンテナの近くに配置されたシールドなしのイーサネットケーブルが、意図しない受信アンテナとして働くことで、かなりの干渉を受ける理由が説明されます。このエネルギー回収の効率は、干渉信号の波長に対するケーブルの物理的な長さに依存します。たとえば、150 MHzの信号の波長はおよそ2メートルです。つまり、長さが50~100センチメートルのケーブルは、その周波数と共振し、干渉を最大化する可能性があります。ケーブルの向きも重要です。アンテナの放射場と平行に配置されたケーブルは、垂直に配置されたケーブルよりも多くのエネルギーを回収するためです。
距離とシールドによる結合の低減
高出力アンテナから物理的な距離を保つことは、重要な安全対策です。電磁界の強度は、遠方界では2乗の反比例の法則に従います。つまり、発生源からの距離が2倍になると、電磁界の強度は元の強度の約4分の1に減少します。この数学的な関係により、デバイスやケーブルをほんの少し離すだけで、干渉を大幅に軽減できる理由が説明されます。
高密度環境では、距離を離すだけでは干渉を完全に排除できない場合があるため、効果的なケーブルのシールドと配線も重要です。シールドケーブルは、電磁エネルギーを遮り、迂回させるために使用されます。これらのケーブルには、信号を伝送する導体を覆うアルミニウム箔または銅編組の導電層が設けられています。電磁界がこのバリアに当たると、その電磁界は内部のワイヤー内ではなくシールド内で電流を誘導します。シールドの両端が正しく接地されていれば、電流は安全にアースへと流れます。
シールドケーブルの種類
シールドケーブルは、伝導干渉の影響を軽減するように設計されています。シールドは、内部の導体を覆う編組金属または箔の層で構成されており、電磁エネルギーを吸収し、信号を伝送するワイヤーから遠ざける役割を果たします。
ケーブルの構造が異なれば、保護性能もそれぞれ異なります。
F/UTPケーブルは、単一の箔シールドを採用しており、基本的な保護で十分な干渉の少ない環境に適しています。
S/FTPケーブルは、アセンブリーの周りの編組シールドと、各ペアごとに個別の箔シールドを備え、より広い周波数帯域にわたって高い効果を発揮します。
SF/FTPケーブルは最も性能が高く、箔シールドと編組シールドの両方を採用し、幅広い干渉からの保護を提供します。
また、これらのケーブルを、追加の接地された金属製導管に通すことも可能です。これにより、設置の経路全体に沿って電磁バリアが拡張されます。導管は堅牢な外装シールドとして機能します。適切なクランプを使用して金属構造にボンディングすると、誘導電流がデータ信号から確実に遠ざけられます。これには、銅やアルミニウムなど、電気抵抗率の低い材料が最も効果的です。
提案・推奨事項
電波に関する適合性の維持には、空間計画とハードウェアの保護の組み合わせが必要です。これらのガイドラインは、電磁妨害を最小限に抑えるために必要な予防措置について概説しています。
デバイスとアンテナの間には十分な距離を取る
電磁干渉を最小限に抑えるため、電子機器は無線機器から離しておく必要があります。パワーインジェクターを含むAxisデバイスは、無線通信アンテナから離れた場所に設置する必要があります。3 m (10 ft) 以上の距離を取ることをお勧めします。
この距離を保つことで、両方のシステムが保護されます。Axisデバイスは無線機器に干渉を与える可能性があります。また、無線機器が (高い送信電力によって) 強い電磁界を発生させる場合、Axisデバイスの性能にも悪影響を及ぼす可能性もあります。原則として、Axisデバイスは強い電磁界が存在する場所への設置は認定されていません。
Axisデバイスは、意図される環境に適用されるEMC規格に対して、試験され、認証を受けています。国際基準にしたがって認定されていますが、地域または業界ごとの基準値は異なる場合があります。EMCに敏感な環境への設置においては、設置担当者がその特定のサイトに応じた試験を通じて性能を確認する責任があります。
ネットワークケーブルの保護
アンテナとAxisデバイス間の距離が短いほど、堅牢なシールドを施し、配置を管理してデバイスのケーブルを保護する必要があります。そうでなければ、イーサネットケーブルがノイズの伝達経路になってしまいます。
必ずシールド付きのイーサネットケーブルを使用してください。シールド性が最も高いSF/FTPケーブルをお勧めします。S/FTPケーブルも使用できます。
さらに保護を強化するために、イーサネットケーブルを細い金属製の導管に通し、アンテナからできるだけ離れた場所に、電源ケーブルから隔離して配置することができます。導管は、抵抗率の低い材料 (通常は銅またはアルミニウム) で作られている必要があります。デバイスの近くに導管の端を配置して、デバイスの近くの余ったケーブルの長さを最小限に抑えるようにしてください。また、金属製クランプを使用して、導管を金属製の構造部に固定すると便利です。これにより、導管を効果的に接地し、不要な電流を遮断することができます。