監視における赤外線

3月, 2026

概要

デイナイトカメラ

  • デイナイト機能搭載カメラは、画像処理に赤外光 (IR) を使用することができます。カメラのセンサーは可視光だけでなく、可視光に近い波長の赤外光も検出します。

  • デイモードでは、カメラは可視光のみ(赤外線照明を遮断するIRカットフィルターを適用することで)を使用し、カラービデオを撮影します。

  • ナイトモードでは、カメラはIRカットフィルターを機械的に移動させて赤外線と可視光を取り込み、その両方を用いて高品質なグレースケール映像を生成します。

  • 環境光が設定され光の強度を下回ると、カメラはデイモードからナイトモードに切り替わります。

  • 一部のデイナイトカメラには、IRパスフィルターを用いて赤外線照明のみを取り込む第三の方式が備わっているものもあります。このIR専用モードは、長距離監視や夜間の交通監視など、特定の用途で効果を発揮します。

  • デイナイトカメラは、サーマルカメラではありません。サーマルカメラは、すべての物体から自然に放出される熱放射である長波長赤外線を検知します。

赤外線光源

  • 赤外線 LED 照明は、通常の照明が適さない暗闇での監視を可能にする、電力効率に優れた目立ちにくい手段です。

  • 赤外光は、太陽光や月光の中にも自然に存在します。

  • 内蔵赤外線LEDを備えたカメラは、追加の照明装置や配線、電源装置が不要な便利なソリューションです。

  • カメラに一体化された LED 照明は、特定のカメラとその機能に合わせて独自に調整されています。

  • スタンドアロン型の赤外線投光器は、一般的により高出力で光が遠くまで届くため、場合によっては適しています。

OptimizedIR

  • Axis OptimizedIR は、カメラのインテリジェンス機能と高度な LED テクノロジーを組み合わせた、先進のカメラ一体型赤外線ソリューションです。

  • OptimizedIR は各カメラモデルごとに最適化されています。典型的な例としては、カメラの可変視野内で均一な照明を実現する特許取得のテクノロジー、極めて効率的な熱管理、カメラに合わせて微調整された高品質の長距離対応 LED などがあります。

  • OptimizedIRは継続的に開発が進められており、新しい機能が定期的に追加されています。

はじめに

カメラのほとんどは可視光と近赤外光 (IR) を使用して画像や映像を生成することができます。撮影シーンに人工的な赤外線照明を加えることで、まったくの暗闇でも高品質映像の取得が可能です。

本ホワイトペーパーは監視環境において赤外線照明が広く使用される理由について説明するとともに、カメラ内蔵の投光器とスタンドアロン型の投光器、そして赤外線ソリューションの独自の組み合わせによる Axis OptimizedIR についても記載しています。

光感度と電磁スペクトル

光は光子 (フォトン) と呼ばれる個々のエネルギーの集まりです。カメラのイメージセンサーは光に反応する数百万個のピクセルを有し、これがセンサーに入る光子の数を検出します。カメラはこの情報を使って画像を生成します。

また、光はエネルギーや波長がそれぞれ異なり、カメラセンサーの光子検出能力はその波長に依存します。一般的に、センサーは波長が 0.4 μm (マイクロメーター) ~ 0.7 μm の可視光子を検出しますが、通常はそれよりも若干波長の長い、電磁スペクトル内の近赤外線 (0.7~1.5 μm) の光子も検出します。このような光は太陽光の中など自然界に存在しますが、人工的な光源を使用して追加することも可能です。

さらに長い波長を持つ光子(スペクトルの長波長赤外線:LWIR領域)は、サーマルカメラのセンサーで検出することができます。LWIRは熱放射であり、生物・無生物を問わずすべての物体から自然に放出されています。サーマルカメラ画像では、温かい物体 (人や動物など) がそれよりたいてい温度の低い背景から際立って映ります。

    電磁放射のスペクトル。赤外線投光器は近赤外線領域 (11) で、サーマルカメラは長波長赤外線領域 (12) で動作します。

1. X線
2. 紫外線
3. 可視光
4. 近赤外線 (NIR) 放射 (約0.7~1.5 μm)
5. 短波長赤外線 (SWIR) 放射 (1.5–3 μm)
6. 中波長赤外線 (MWIR) 放射 (3~5 μm)
7. 長波長赤外線(LWIR)放射(8~14μm)
8. 遠赤外線(FIR)放射(約15~1,000μm)
9. マイクロ波放射
10. ラジオ/テレビの波長
11. 赤外線照射
12. Axisサーマルカメラ

低光量の条件下では、カメラセンサーに届く光子の数が少なくなります。Axis Lightfinder テクノロジー搭載カメラは、センサー、レンズ、微調整された画像処理のバランス良い組み合わせにより光感度が非常に高いため、少ない光子を使用してカラー画像を生成することができます。しかし、シーンが暗すぎる場合、可視光の光子が不足するため、映像監視に十分なフレームレートでセンサー が検出することができません。このような極めて低照度の環境では、可視光(およびカラー撮影)を使用せず、スペクトルを近赤外線(NIR)領域まで拡張する必要があります(デイナイトカメラを使用)。代替手段として、長波長赤外線(LWIR)を用いるサーマルカメラを使用すれば、完全な暗闇でも検知が可能です。

赤外線イメージングと赤外線照明

赤外線 LED 照明の使用は、電力効率が高く、暗闇でも目立たない監視を可能とします。まったくの暗闇でのイメージングでは、スタンドアロン型の投光器またはカメラ内蔵の赤外線投光器を使用して赤外光を追加する必要があります。

画像処理に赤外光を使用できるカメラはデイナイト機能を備えているか、デイナイトカメラです。これらは月の光などの自然の赤外光や、白熱灯や専用の赤外線光源からの人工的な光を利用することができます。赤外線照明を内蔵するカメラはすべてデイナイトカメラですが、デイナイトカメラに必ずしも赤外線照明が内蔵されているとは限りません。赤外線投光器を内蔵したAxisのカメラの製品名には、LED (発光ダイオード) を意味する「L-」の文字が付いています。

通常、カメラの内蔵照明とスタンドアロン型の照明はどちらも 850 nm の波長の赤外光を使用します。可視光の波長に近いため、赤外線 LEDは目に見えるかすかな赤色の光を放ちます。赤外線 LEDには波長が 940 nm のものもあり、可視光を発生させる危険性を低減します。ただし、カメラのセンサーはその波長に対してやや感度が低くなります。

    可視光および近赤外線に対するイメージセンサーの応答特性
  1. 相対センサー感度
  2. ナイトモードで使用される波長
  3. デイモードで使用される波長
  4. 可視光
  5. 近赤外線

Axis Lightfinder テクノロジーは赤外光と可視光を使用します。Lightfinder を搭載するカメラは赤外線照明を遠くまで届けるため、シーン内遠方の自然の赤外光が見えやすくなります。

デイナイトカメラ

デイナイトカメラは通常、デイモードとナイトモードの2つのモードを切り替えることができます。デイモードではカメラが可視光を使用してカラー映像を生成します。一定の光度を下回ると、カメラは自動的にナイトモードに切り替わります。ナイトモードでは可視光と近赤外光の両方をとらえて高品質のグレースケール映像を生成します。

デイモードとナイトモードの切り替えには、機械的に取り外し可能な IR カットフィルターが使用されます。

    光学部品ホルダーに装着されたIRカット (デイナイト) フィルター。このカメラでは、フィルターが横にスライドします。日中は、カメラセンサーに赤外光が届かないように赤色のフィルターが使用されます。夜間は透明なフィルターが使用されます。
  1. ソレノイド
  2. フロントガード
  3. 光学部品ホルダー
  4. イメージセンサー
  5. ナイトフィルター
  6. デイフィルター

デイモードでは、色歪みのない映像を得るためにこのフィルターが自然の赤外光を遮断してカメラセンサーに届かないようにします。ナイトモードではフィルターが取り外され、赤外光がセンサーに当たり、カメラの光感度が高まります。

    電磁スペクトルの一部で、紫外線(1)、可視光(2)、近赤外線(NIR)(3)、および赤外線(4)が含まれます。
    デイモードでは可視光のみを使用します。
    ナイトモードでは、可視光に加えて、近赤外線の中でも最も近い波長領域を使用します。

赤外線照明はセンサー上の3種類すべてのカラーフィルター(RGB)を透過してしまうため、ナイトモードでは色情報が失われ、カメラはカラー画像を出力できなくなります。ナイトモードで生成されるグレースケール映像は、赤外光を視認できない人間の目に対応しています。ただし、特定の反射特性を持つ素材は、予期しないグレースケールの濃淡で表示されることがあります。例えば、暗いジャケットが実際よりもかなり明るく見えたり、その逆もまた然りです。

IRパスフィルター搭載カメラ

一部のデイナイトカメラには、追加の光学フィルターが搭載されています。このIRパスフィルターは可視光を遮断し、イメージセンサーには近赤外線(NIR)の光だけを通します。状況によっては、このフィルターを有効にすることで、カメラはグレースケールの映像であっても、より明瞭なディテールとより高い鑑識的価値を持つ映像を提供できるようになります。

    IRパスフィルターは、近赤外線(NIR)の光だけを通します。

IRパスフィルターの効果は、距離や天候条件、シーン内の水や植生の有無など、個々の環境条件によって異なります。このフィルターは、長距離監視や夜間の交通監視などにおいて、画像の品質を向上させることができます。

長距離監視。近赤外線(NIR)は可視光よりも霞やスモッグをよりよく透過します。これは、赤外線照明の波長が長いため、水滴やほこりなどの大気中の粒子による散乱の影響を受けにくくなるためです。赤外線画像のもう一つの顕著な特徴は、植生の可視性が向上する点です。この波長域ではクロロフィルの反射率が高いため、植物や樹木は可視光下よりもはるかに明るく見えます。IRパスフィルターを使用することで、これらの効果が長距離での可視性とコントラストを高め、煙や発生した森林火災の検出などをより容易にします。

    長距離撮影の比較(左)デイモード、(右)IRパスフィルター使用時IRパスフィルターは、(10 km (約6マイル))離れた風力発電タービンや (20 km (約12マイル))離れた背景の丘陵のコントラストと可視性を高め、さらに畑の植生もより明るく映し出します。AXIS Q6355-LEPTZカメラで撮影。

交通監視。IRパスフィルターは、赤外線照明と併用することで、夜間の車両ナンバープレートのコントラストを向上させることができます。ナンバープレート自体は赤外線を非常に良く反射しますが、強いヘッドライトによってフレアやハローが生じ、視認性が低下することがあります。多くの車両のヘッドライトは主に可視光の波長を発するため、IRパスフィルターによってその眩しい光を除去することができます。

    ナイトモードでのスナップショット(左)とIRパスフィルター使用時のスナップショット(右)。両方のスナップショットは、AXIS Q6355-LE PTZカメラで撮影され、距離 50 m (55 yd)、光学ズーム7倍の条件下で撮影されています。

サーマルカメラではなく赤外線イメージングを使用する理由

まったくの暗闇で利用可能な映像は、サーマルカメラと赤外線照明内蔵のビジュアルカメラでとらえることができます。サーマルカメラはあらゆる物体が自然に発する熱放射のみを検出するため光源を必要としません。

    デイナイトカメラとサーマルカメラの比較画像 (いずれも暗闇で撮影)。

左:赤外線照明内蔵デイナイトカメラによる画像。
右:熱放射を受動的に検知するサーマルカメラによる画像。

この 2 つのカメラテクノロジーは一般的に異なる目的に対応します。サーマルカメラは主に物体の存在を検出し、赤外線カメラはその条件に応じて個体の認識または識別に使用できます。そのため、赤外線照明内蔵カメラは完全一体型のスタンドアロン型監視カメラとして使用できますが、大型のさまざまな監視システムに統合することも可能です。一方、サーマルカメラは監視システムを補完するという点で効果的ですがそれに代わるものではありません。通常はシステム内のどこかに識別を行うためのビジュアルカメラが必要です。

サーマルカメラはキロメートル単位の優れた検出範囲を有しますが高価格です。赤外線照明内蔵カメラの検出範囲はカメラの解像度と投光距離に依存します。Axisの赤外線製品については、データシートに投光距離に関する情報が記載されています。このデータは夜間に屋外で実際のシーンの実際の物体を使用した評価に基づいています。

サーマルカメラはガラスを通して物体をとらえることができませんが、赤外線照明を使用したビジュアルカメラではそれが可能です。この点に関する効果はその状況と監視目的によって異なります。例えば、サーマルカメラは監視が許可されていない窓の向こう側を誤って撮影してしまうことがないため、屋内監視においての利点があります。

サーマルカメラテクノロジーの詳細については、www.axis.com/technologies/thermal-imaging をご覧ください。

可視光照明ではなく赤外線照明を使用する理由

人工的な白色光照明が禁止されている場所やそれが美観を損なうような場所では、赤外線照明を使用して監視を行うことが可能です。

その一つの例として、白色光ではドライバーの集中力が大幅に妨げられる夜間の交通監視が挙げられます。また、赤外線には目立たない監視が可能という利点もあり、一般的な光害を悪化させないということのほかにも、さまざまなシナリオにおいて戦略的に有効活用できます。しかし、多くの場合には可視光投光器による威嚇効果が好まれます。

赤外線照明は色彩情報をとらえることがそれほど重要でない場合に使用できます。ただし、グレースケール映像はカラー映像に比べてビットレートが大幅に低いため、帯域幅とストレージの必要量を削減できます。

赤外線照明を使用したデイナイトカメラは高コントラスト・低ノイズで、特にビデオ分析や、交通監視などの高速で移動する物体の夜間監視に適しています。ナンバープレート認識(LPR)は、場合によっては赤外線照明が効果を発揮するビデオ解析アプリケーションです。ナンバープレートは画像内の他の物体よりも赤外光を多く反射するため、LPR アルゴリズムが他の物体でなくナンバープレートに反応できるようになります。ナンバープレートの不正な改造も容易に検出できます。

IR補正レンズ

赤外線照明の効果を最大限に活用するためには、光学系が可視光スペクトルと近赤外線(NIR)スペクトルの両方で一貫した性能を発揮する必要があります。従来のレンズでは、可視光と近赤外線(NIR)を切り替えた際に焦点面が移動する「フォーカスシフト」が発生することがあります。この現象は、光学ガラスの屈折率が波長に依存することに起因し、焦点位置にわずかなずれが生じます。その結果、カメラが赤外線照明に頼る場合に解像度が低下するおそれがあります。

赤外線補正レンズはこの問題を軽減します。特殊なガラスと光学設計により、色収差による焦点のずれを最小限に抑え、波長全域にわたり像面の位置を安定させます。これにより、照明状態が変化しても一貫したシャープネスが保たれ、赤外線照明の動的な調整が可能となり、暗所でも安定して高品質な画像を取得できます。

カメラ内蔵の赤外線照明とスタンドアロン型の赤外線照明

人工的な赤外線照明は、スタンドアロン型の赤外線投光器またはカメラ内蔵の赤外線投光器から得られます。監視用途では、この両方のタイプを同時に使用することでメリットを得られる場合があります。通常、スタンドアロン型の赤外線投光器はより高出力で光が遠くまで届きますが、カメラ内蔵の赤外線投光器は機能やズームレベルなどがそれぞれのカメラに合わせて個別に適合・調整されているため、近距離の用途にはこちらの方がより適している場合もあります。

赤外線投光器の一般要件

カメラ内蔵型でもスタンドアロン型でも、赤外線投光器はカメラの視野全体に均一な明視野を提供できなければなりません。投光器は投光距離が長くなければなりませんが、付近の物体に対するカメラの露出オーバーを防ぐことも必要です。そのためには、通常カメラにワイドダイナミックレンジ機能が搭載されている必要があります。

赤外線投光器には可視光検知器が内蔵され、日中や光源が十分な光を放っている場合には節電のため自動的にシャットダウンすることが必要です。また、LEDの寿命を長く保つためにオーバーヒートを防ぐ機能も必要です。

内蔵投光器

カメラと投光器が一体化された装置を使用することで、より目立たない設置が可能になります。これは、美術館や歴史的な建造物など、古い建物や重要文化財の監視には特に重要な利点です。

赤外線照明を内蔵したAxisのカメラは容易に設置・統合を行うことができます。低消費電力の赤外線LEDは、カメラから電力供給され(PoE:Power over Ethernetを使用)、外部ケーブルや追加の電源は一切必要ありません。また、照明内蔵カメラによるシステムは、設置に必要な部品数が少なくそれに伴って整備やメンテナンスを行う部品の数も少なくなるためより安価です。

赤外線照明を内蔵したカメラでは、赤外線がレンズ内に漏れ込んだり、レンズに反射して戻ったりしないようにする必要があります。ドームに水滴や雪が付着している場合、反射のリスクは特に高くなります。最適なソリューションは、赤外線 LEDをカメラのレンズから物理的に隔離する設計です。

これは、3つの部分からなる遮蔽構造によって実現できます:

  • 内部の黒色壁が、レンズとLEDの間のバリアとして機能します。

  • ドームのプラスチックには、赤外線コンパートメントとレンズコンパートメント間で光が内部反射するのを防ぐ黒色の遮蔽が組み込まれています。

  • ドームの外側にある突き出した縁は、雨滴が表面を伝って光をレンズ領域へ導くのを防ぎます。

すべての必要な分離機構が内蔵されていないカメラの場合、代替策として外部のウェザーシールドを使用することで、ドームに雨滴や雪が付着しないようにすることができます。

左:この赤外線LED内蔵カメラは、赤外線反射を防ぐために3つすべての遮蔽方式を採用しています。

右:この赤外線LED内蔵カメラは、レンズとLEDの間にバリアとなる内部壁と、ウェザーシールドを備えています。

スタンドアロン型投光器

デイナイトカメラに使用されるスタンドアロン型の赤外線投光器は、一般的にカメラ内蔵のIR照明よりも到達距離が長くなります。これは、より多くのLEDを使用し、より強い光を照射できるためです。複数のイルミネーターを使用し、対象エリア内に自由に配置することで、照明範囲を大幅に拡張することができます。そのため、カメラがより自由に照準を合わせることもできます。

スタンドアロン型照明装置を使用する場合、光とカメラレンズはカメラ内蔵型の赤外線照明に比べて物理的により離れているため、光に自然と引き寄せられる虫やほこりがレンズに近づいて映像に悪影響を与えることがありません。

スタンドアロン型投光器を使用する場合は、照明がシーンに適していることを確認する必要があります。投光範囲が狭すぎるとシーンの中央にホワイトアウトやグレアが出たり、より広角での不適切な照明の原因となります。一方で、照明範囲が広すぎると、前方への照射距離が低下するだけでなく、関心対象外の物体まで不必要に照らされることになります。

Axisのスタンドアロン型投光器は交換可能な凹レンズが備わっており、シーンに合わせて照明の幅を選ぶことができます。投光器の調整は現場において手動で行う必要があるため、スタンドアロン型投光器は一定のズームレベルと視野を保つカメラと併せて使用するのが最適です。

Axis OptimizedIR

Axis の OptimizedIR 搭載カメラは、インテリジェントなカメラと高度な LED テクノロジーを独自に組み合わせたパワフルな製品で、Axis の最も高度なカメラ内蔵赤外線ソリューションが使用されています。例えば、カメラの可変視野全体で一貫した均一な照明を実現する特許技術や、極めて効率的な熱管理、そしてカメラに最適化された長距離対応の高品質LEDの採用などが挙げられます。OptimizedIRは各カメラモデルごとに最適化されており、カメラの特定の前提条件や機能に応じて異なるソリューションで構成されることがあります。OptimizedIRは継続的に開発が進められており、新しい高度な機能が定期的に追加されています。

柔軟に調節可能な投光角度

一部のリモートズームカメラに搭載されている OptimizedIR 機能は、ズームレベルに合わせて投光角度を調節することができます。高精度のカスタムメイドレンズを使用しながら、赤外線 LED がカメラのズーム動作に追従して照明を当て、適切な量の光を提供します。視野全体が均一に照明されるため、環境が完全に暗い状況でも、露出が適切で高品質かつノイズの少ない映像が得られます。

    一部のカメラでは、OptimizedIRがカメラの視野角の調整に合わせて、赤外線照明の照射角を制御します。

左:赤外線照明の照射角は、カメラの画角よりもわずかに広く設定されており、カメラ視野全体(薄青色)を均一に照らすようになっています。

右:カメラの画角が狭くなると、赤外線照明の角度も自動的に狭くなります。

調節可能な光の強度

Axisの最も高度なソリューションの一部では、カメラに内蔵された LED の光強度を手動または自動で調節できます。最適な画質が必要とされる場合は、Webインターフェースから遠隔操作で個々のライトの減光や消灯が可能です。

カメラは最適な画質を得るために自動的に露出を調節します。また、壁際や角際への設置では、カメラが壁や角に最も近い LED を自動的に減光するので、画像の一部にサチュレーションを引き起こす可能性のある反射を防ぐことができるという利点もあります。

例えばシーン内の外部の光源など、設置環境やカメラ周囲の条件に応じて、個々の LED の光強度を手動で調節して赤外線照明をカスタマイズすることも効果的です。

電力効率と耐久性

OptimizedIRは極めて電力効率の高いLEDを採用しており、PoEによる給電により、追加の電源ケーブルは不要です。

これらの LED は高品質で耐久性に優れており、低発熱のため寿命もさらに長くなります。動作時の温度が低く、長期の使用が可能です。また、OptimizedIR はシーン全体を均一に照らし、視野の外側の光の量を最小限に抑えるため電力効率にも優れています。これは最適な機械設計により、使用する LED の数を抑えることで達成されています。

PTZカメラのカスタマイゼーション

高度な熱管理ソリューションと洗練されたカメラ機能により、Axisは一部の PTZ (パン/チルト/ズーム) カメラにも OptimizedIR を搭載しています。異なるレンズと光強度の調節機能を備えた複数の LED を使用し、視野やズームファクターに合わせて照明が最適に調整されます。カメラがパン、チルト、ズームのいずれの動作を行っている場合でも、このの動的IRビーム制御は赤外線照明をカメラの視野にシームレスに適応させます。

PTZ カメラを目立たないデザインにするため、内蔵 LED はすべて外部のヒートシンクに接続せず、イメージセンサーの近くに配置する必要があります。そのため、LED の冷却が非常に重要です。

OptimizedIR を搭載するAxisの PTZ カメラは、ヒートパイプを使用して LED が発する熱をセンサーと LED から逸らしてこれらの適切な動作温度を維持します。これにより、センサーは高品質・低ノイズの画像を生成するとともに、LED の長寿命が確保されます。また、この熱管理ソリューションによって方向的に目立たないコンパクトなドーム型のデザインが可能となり、OptimizedIR による近赤外線照明とともに完全に目立たない監視が実現します。

Axisの赤外線装置の安全性

Axisカメラは、国際規格IEC 62471に基づく欧州規格EN 62471に準拠しており、安全に使用することができます。この規格に従って、カメラ本体および内蔵照明は、カメラをまっすぐ見つめるどの生物の目にも危害を及ぼすものではありません。