Lightfinder
概要
Axis Lightfinderテクノロジーは、ネットワークカメラに卓越した光感度をもたらします。他のカメラであればナイトモードとグレースケール映像に切り替わるような非常に暗い場所でも、Lightfinderを搭載したカメラはデイモードを維持し、カラー画像を配信し続けます。監視状況では、色が人物、物体、車両などの識別に対する重要な要素になる場合があります。
Lightfinderは、完全な暗闇のシーンだけでなく、通常の屋内照明より光源レベルが低い場所でも付加価値をもたらします。質の良い画像を生成するために必要な光量が少ないため、Lightfinderを搭載したカメラでは、露光時間を短くすることなどによって、ブレやノイズを最小限に抑えることができます。
Lightfinderテクノロジーは、最適に調整された最高品質の部品と、高度なデジタル画像処理アルゴリズムを組み込んだ当社独自のシステムオンチップを組み合わせて構成されています。これらすべての構成要素の定期的な改良により、Lightfinderもまた、常に進化しています。Lightfinder 2.0のコンセプトは、光感度の向上、よりリアルな色の再現、上級者向けのカスタマイズ設定などの進化を遂げています。
Lightfinderは、カラー処理、フィルタリング、およびチューニングに関する幅広いノウハウを基盤としています。LightfinderとAxis Zipstreamテクノロジーは、画像の詳細部分を維持しつつ、平均ビットレートを低く抑え、必要なストレージを低減する慎重な圧縮処理を実行できるように併せて調整されています。
はじめに
Lightfinderは、低光量条件でも低ノイズで画像のブレを最小限に抑えた高品質のビデオ撮影を可能にするAxisのテクノロジーです。極めて高い光感度により、最も低い光源レベルでもカラー映像の撮影が可能です。このテクノロジーは、適切なセンサーとレンズ、そして最先端のチップに組み込まれている最適化された画像処理アルゴリズムを独自の方法で組み合わせることにより開発されました。
Lightfinderを搭載したカメラは、駐車場、市街地監視、キャンパス、建設現場など、要求の厳しいあらゆる低光量環境における映像監視用途で効果を発揮します。このような場所では、ビデオの鮮明さや色によって、人物、車両、または事象の識別可能性が大幅に高まることがあります。
このホワイトペーパーでは、Lightfinderテクノロジーの基礎と主な利点について説明します。照明が制御された低照度シーンでLightfinderを使用して撮影した映像のスナップショットを用い、画質を実証しています。技術的な理解を深めるため、まずは光の基本、光の検出および光の測定について説明します。
低光量環境下でもカラー画像を提供 - 背景
光は、光子と呼ばれる電磁エネルギーの不連続な塊から成ります。光子は異なるエネルギー準位、あるいは波長を持っています。可視光のエネルギーの範囲では、波長によって光の色が異なります。
光の検出
人の目は、約400 nmから700 nmの間の波長の光 (光子)、すなわち可視スペクトルを検出することができます。目には、光を検出する2種類の視細胞、桿体細胞と錐体細胞があり、これらは異なる強度と波長の光を測定するよう最適化されています。錐体細胞は色覚の機能を持っていますが、何かを感知するためには、強い光 (多数の光子) を必要とします。一方、桿体細胞は、わずかな光 (数個の光子で十分) でも感知することができますが、波長を区別することができないため、色情報は提供しません。つまり光量が低下すると、桿体細胞は機能し続けますが錐体細胞は何も認識せず、これが暗い場所で人の目が色覚を失う理由です。
デジタルカメラで、目の桿体細胞と錐体細胞に相当するのは、イメージセンサーにある何百万もの感光部 (ピクセル) です。デジタルカメラのセンサーは、可視光の光子を検知するだけでなく、スペクトルの近赤外線 (NIR) 領域にある少し長い波長の光子 (700~1000 nm) も検知できるという利点があります。通常、近赤外線光は太陽光にも人工光にも含まれています。
可視光のレベルが非常に低い場合でも、デジタルカメラ (取り外し可能な赤外線カットフィルターを備えたデイナイトカメラ) は、利用可能な近赤外線光を使用し、画像を生成することができます。ただし、この光には色情報がありません。そのため、可視光のレベルが非常に低い場合は、人の目も一般的なデイナイトカメラも、グレースケール画像しか提供できません。赤外線およびデイナイトカメラに関する詳細については、ホワイトペーパー「監視における赤外線」をご覧ください。
しかし、Lightfinderを搭載したカメラは、光源レベルが人の目が色を認識できるレベルよりもはるかに低いレベルまで低下しても、色覚を維持し、カラー画像を継続的に生成します。

Lightfinderを搭載したカメラに赤外線イルミネーターを追加して、代わりにカメラのナイトモードを使用することも可能です。ナイトモードで撮影されたグレースケールの赤外線画像は、ビデオ分析などで非常に役立ちます。ただし、多くの状況では、自然なカラー画像を提供するデイモードのビデオの方がより多くのフォレンジック情報を提供します。
ルクスで表す光の強度
光の強度は、照度、または単位面積当たりの光束として、測光により定量化することができます。照度は、光の絶対的な放射強度 (W/m2 で測定される放射照度) に基づいています。しかし、照度には、波長ごとの人の目が感じ取る明るさを標準化した、人の目の感度特性による重み付けも加味されています。これは、照度が人の目が感じ取る光の強度を表していることを意味します。照度はルクス (lx) で測定され、1ルクスは1平方メートル当たりの1ルーメンに相当します。
自然のシーンにおける照明は複雑なことが多く、影とハイライトによってシーンのさまざまな部分でルクス値が異なります。測定値1ルクスは、シーン全体の光の状態を示すものではなく、また、光の方向に関する情報も含まれていません。とは言え、光の強度の測定は、光の状態を推定し、さまざまなシーンを比較するための有益なツールを提供します。表はさまざまな光条件に対する一般的なルクス値の一覧です。
| 光の強度 | 光量条件 |
0.05~0.3ルクス | 満月の晴れた夜 |
1ルクス | 1 m離れた場所を照らすろうそくのあかり |
80ルクス | オフィスビルの廊下 |
500ルクス | オフィスの照明 |
10,000ルクス | 昼光 |
100,000ルクス | 強い太陽光 |
最低照度として表される光感度
多くのメーカーは、妥当な画像を生成するために最低限必要な照度として、ネットワークカメラの光感度を指定しています。これらの仕様は、同じメーカーによるカメラの光感度を比較する上では役立ちますが、異なるメーカー間の製品でこのような比較を行うには注意が必要です。最低照度の測定方法には国際基準がないため、各メーカーは、それぞれ異なる方法を採用しており、妥当な画像に対する基準も異なります。
Lightfinderの主要構成要素
Lightfinderテクノロジーは、高品質の光学部品と、監視用途に特別に設計されたシステムオンチップの高度な画像処理技術を入念に調整して組み合わせることにより実現しました。これらすべての構成要素の定期的な改良により、Lightfinderテクノロジーもまた、常に進化しています。
- イメージシグナルプロセッサ (ISP) モジュールを内蔵したシステムオンチップ
- イメージセンサー
- レンズ
- フィルター
高品質のレンズによって集光・集束された光は、デジタルカメラの中核であるイメージセンサーに到達します。センサーは、光を電気信号に変換する一連の高感度光子検出器からなる電気光学部品です。すべてのLightfinder製品には、監視に最適な特性を備える、厳選された高感度CMOSセンサー (補完的な金属酸化物半導体センサー) が搭載されています。
イメージセンサーと同様に重要なのが、システムオンチップのISP (イメージシグナルプロセッサ) モジュールに組み込まれているデジタル画像処理アルゴリズムです。このチップは、映像監視専用に設計されています。また、最新のASICテクノロジーに基づいて製造されており、最大限のデジタルビルディングブロックを保証します。このアルゴリズムは、ノイズの除去、色の復元、各画像の鮮明化をリアルタイムで実行し、非常に小さなセンサー信号からでも極めて有用な映像を生成します。ただし、画像コンテンツの維持は、重要な詳細部分を削除する可能性がある拡張フィルタリングよりも常に優先されます。監視においては、画像アルゴリズムがシーン内のフォレンジック情報を破壊しないことが特に重要です。アルゴリズムは、正常に動作するとともに予測可能である必要があり、画像を見やすくする過程で画像に余分な情報を取り入れることがあってはなりません。
光路内にあるすべてを慎重に評価し、すべてのデジタルアルゴリズムを最適に調整することで、低光量が非常に大きな課題となるほとんどの光条件下で、卓越したカメラ性能を実現することが可能です。Lightfinder製品では、レンズとセンサーを他の光学部品 (通常はレンズフィルター) と組み合わせて、光感度と解像度の最大化を図りながら、画像の乱れを回避します。LightfinderとAxis Zipstream technologyは、併せて調整されています。これにより、正確な圧縮の実行が可能になり、平均ビットレートの低減とストレージコストの削減を実現しながら映像を生成するとともに、画像の詳細部分を維持します。
低光量条件における撮影
Lightfinderを搭載したカメラの卓越した光感度は、完全な暗闇のシーンだけでなく、一般的な屋内環境よりも光源レベルが低いあらゆるシーンで効果を発揮します。Lightfinderを搭載したカメラは、鮮明な画像を撮影するために必要な光量が少ないため、短い露光時間を使用したり、レンズの絞りを小さくしたりすることができ、さらなるメリットが得られます。以下は、その一例です。
長い望遠レンズを使用できます。通常は、望遠レンズを使用すると、動きによる画像のブレや手ぶれを防ぐために露光時間を短くする必要があります。
低光量条件で高解像度カメラを使用できます。Lightfinderによって、画像ノイズや動きによる画像のブレなどが発生することなく、短い露光時間を使用できます。
被写界深度を深くすることで、シーンのより広い範囲にフォーカスが合います。そのためには、レンズの絞りを小さくする必要があります。
WDR性能が向上し、シーンの暗い部分の画像ノイズが低減されます。
高いデジタルゲインが必要ないため、画像ノイズが低減されます。
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| Lightfinder 2.0 | 肉眼 |
Lightfinder 2.0が搭載されたカメラで撮影したシーンと肉眼で見たときのシーンのビデオスナップショットの比較。橋の下で測定された光源レベルは0.05ルクスです。
短い露光時間による影響
露光時間とは、カメラのセンサーが光子を捉える時間を指します。これらの光子は電子に変換され 、各ピクセルに蓄積された電子数が測定され、画像の形成に使用されます。画像が形成されると、すべてのセンサーピクセルの電子が消去され、光子の収集が再び開始されます。通常、低光量シーンでは、使用可能な画像を生成するために必要な十分な光子をセンサーが捉えるためにより長い露光時間が必要ですが、Lightfinderによって露光時間を短くすることができます。露光時間が短すぎて画像が暗くなりすぎた場合は、画像ノイズを増やすことなく、デジタル処理で明るくすることが可能です。
レンズの絞りが大きいことによる影響
低光量条件では、通常、露光中に十分な光を取り込むためにレンズの絞りを大きくする必要があります。光学部品やレイトレーシングの仕組みにより、絞りが大きいほど被写界深度が浅くなるという欠点があり、シーン内でフォーカスが合う範囲が狭くなります。Lightfinderによる光感度の向上により、絞りを小さくすることができ、画像ノイズを生じさせることなく深い被写界深度が得られます。
低光量条件における色の再現性
低光量条件では、他のデイナイトカメラはナイトモードとグレースケール映像に切り替わりますが、Lightfinderを搭載したカメラはデイモードのままでカラー映像を連続で撮影します。監視においては、このような色の詳細が極めて重要になる場合があります。Lightfinderによって、オペレーターは車両やジャケットの色などの詳細情報を報告できるため、対応時間の短縮とより正確な識別が可能になります。
さまざまな光源レベルにおける例
低光量下での色再現性を例示するため、このセクションには照度を厳密に管理したスタジオでLightfinderを搭載したカメラで撮影したビデオシーケンスからの画像を提示しています。
以下の3つのカメラの画像を比較しています。
Lightfinder 2.0を搭載したカメラ (AXIS Q1726、F1.1レンズ)
Lightfinderを搭載したカメラ (AXIS M2035、F1.4レンズ)
肉眼で見たときのシーンの暗さを再現するように設定された3台目のカメラ
これらのカメラは、マネキンやさまざまな色のアイテムを並べた場所から2~3メートル離れた位置に設置されました。
注:カメラの光感度はシーン内で動きがあるときに評価するのが理想的ですが、この場合は静止画像を使用して比較を行っているため該当しません。画像は縮小されています。表示するモニターや印刷の画質によっても、画像の見え方が変わることがあります。
1~1.6ルクスにおけるLightfinder
このシーンの光源レベルは、1ルクス (三輪車) ~1.6ルクス (マネキンの腰の高さ) でした。
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| Lightfinder 2.0 | Lightfinder |

Lightfinder2.0を搭載したカメラは、鮮明な色が再現された明るい画像を生成しました。
Lightfinderを搭載したカメラは、色の識別が可能なざらついたノイズを含む画像を生成しました。
肉眼では、シーンは非常に暗く見えました。
0.11~0.17ルクスにおけるLightfinder
このシーンの光源レベルは、0.11ルクス (三輪車) ~0.17ルクス (マネキンの腰の高さ) でした。
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| Lightfinder 2.0 | Lightfinder |

Lightfinder 2.0を搭載したカメラは、くすんだカラー画像を生成しました。背景を含め、すべての物体が見えます。
Lightfinderを搭載したカメラは、影が濃く ざらついた質感のカラー画像を生成しました。前景の物体は確認できます。
肉眼では、シーンは真っ暗で物体は見えませんでした。
動きのキャプチャー
動きによる画像のブレは、光量が少ないシーンでよく見られる問題です。その場合、通常は露光時間を長くする必要があります。この現象は、シャッタースピードが遅すぎるため動いている物体をフリーズできない場合に発生し、露光から次の露光までのインターバルでその画像が複数のピクセルに分散します。シーンの状況によって可能な場合は、カメラを動く物体から遠ざけるか、広角レンズを使用することで、動きによる画像のブレを軽減することができます。これにより、イメージセンサー上で物体が移動するピクセル数が少なくなります。
Lightfinderは、露光時間を短くすることで動きによる画像のブレを軽減します。ブレがほとんどないフリーズされたフレームを表示できるため、人物や車両の特定やインシデントの評価が容易になります。

ストレージ容量と消費電力の低減
Lightfinderは、外部LEDや追加の照明を必要とせずに、鮮明で信頼性の高いカラー画像を提供します。Lightfinderは、Axisのその他の照明最適化テクノロジーと組み合わせることで、エネルギーの節約や光害の低減に貢献します。
Axis Lightfinder とAxis Zipstream テクノロジーは、連携して画像の重要な詳細部分を維持しつつ、平均ビットレートを低く抑える圧縮処理を適用するように設計されています。これにより、ストレージコストを抑え、監視ソリューションの持続可能性をさらに高めることができます。
Lightfinder 2.0
AxisのカメラではLightfinder 2.0を採用するものが増えています。進化したこのLightfinderは、独自のシステムオンチップARTPEC-7および最新のARTPECバージョンを搭載したほとんどのカメラで利用可能です。
Lightfinder 2.0は、画像処理パイプラインの完全な再設計により、画像の乱れの少ないより鮮明な画像を提供します。カメラの全般的な光感度の向上に加え、より正確な色再現性、ホワイトバランスの向上、影や暗い被写体の浮き立ち効果向上が実現します。また、Lightfinder 2.0には、時空間フィルタリングをコントロールする新しい設定も含まれています。これは、特定のビデオ分析のために画像を最適化する必要がある上級者に特に有用です。





