AXIS Device Manager Extendによるデバイスのライフサイクル管理

5月, 2023

はじめに

AXIS Device Manager Extendは、ソフトウェアアプリケーションです。これにより、システム管理者はインターフェースを利用して、組織のネットワーク上でAxisのデバイスを検出、監視、操作することができます。

本ホワイトペーパーでは、AXIS Device Manager Extendとそのコンポーネントの概要についてご説明します。また、アプリケーションのメリットについて簡単にご説明し、いくつかの一般的なシステム設定をご紹介します。

背景 - AXIS Device Manager & AXIS Device Manager Extend

AXIS Device Manager Extendは、高く評価されているデバイス管理ツール「 AXIS Device Manager」とは別のソフトウェアアプリケーションです。

AXIS Device Manager Extendは、自動システム監視と離れたサイトを監視・管理する機能により、拡張システムのステータスを管理できる直感的なグラフィカルダッシュボードを必要としているお客様に最適です。AXIS Device Manager Extendの使用には、インターネット接続が必要です。

それに対し、AXIS Device Managerは、システムの初期設定や手作業によるメンテナンスに適しており、オフラインで使用することができます。

ソフトウェアのユースケースはシステムのセットアップとニーズに応じてそれぞれわずかに異なるため、個別に使用することも、同時に使用することも可能です。AXIS Device ManagerとAXIS Device Manager Extendを組み合わせることで、セキュリティシステムの設置担当者とセキュリティシステム管理者は、すべての主要なインストール、セキュリティ、デバイスのメンテナンス作業を実施することができます。 

クライアントとエッジホストによるデバイスの管理

AXIS Device Manager Extendは、1つのクライアント (または複数のクライアント) と1つのエッジホスト (または複数のエッジホスト) で構成されています。クライアントにはユーザーインターフェースが備わっています。また、エッジホストにより、(ローカル) デバイスの検出と管理が可能となります。

クライアントをオンデマンドで、または常に使えるユーザーインターフェースとして使用して、AXIS Device Manager Extendシステムを管理することができます。ローカルにインストールされているエッジホストと一緒に専用マシンで実行することも、エッジホストとは別にリモート接続されているノートパソコンで実行することもできます。クライアントにより、ユーザーは直感的なグラフィカルインターフェースを利用して、システムの全体的なステータスを確認することが可能です。

カメラなどのローカル装置との接続を維持する役割を果たすエッジホストは、常に利用できるオンプレミスの管理サービスです。また、エッジホストは、サービスプラットフォームへのリンクとしても機能します。このプラットフォームでは、同じAPI機能がリモートで抽象化され、これによりサイトのリモート管理がサポートされます。

AXIS Device Manager Extendクライアントを直接的に接続して、同じローカルネットワーク上の単一のエッジホストを管理することができます。クライアントは、組織のネットワーク全体の複数のサイトにリモート接続することも、ローカルサイトとリモートサイトの組み合わせに接続することもできます。

クライアントとエッジホストはいずれも、必要な処理リソースという点で軽量仕様になっています。これにより、クライアントとエッジホストを1台のPCで一緒に実行できるようになります。また、これらを個別に実行するオプションも選択することが可能です。たとえば、エッジホストは仮想サーバーや元来は他のタスク (ビデオ管理システムでの実行など) を目的としている専用ハードウェアサーバーで実行することができますが、一部の処理リソースは引き続き使用することが可能となります。クライアントはノートパソコンまたは専用監視ステーションで実行することが想定されています。クライアントとエッジホストのアーキテクチャーでは、1つのシステムで複数のクライアントとエッジホストを構成することができます。

AXIS Device Manager Extendのメリット

AXIS Device Manager Extendを使用することで、物理的な場所を問わず、数千台のAxisデバイスを管理し、大規模なメンテナンス作業を実施することができます。デバイスへの接続障害の特定や不安定なデバイスの特定など、ネットワーク性能の問題に対処することができます。このソフトウェアは、システム内の個々のデバイスの製品保証と製造・販売終了日を表示することで、メンテナンスと事前対策の計画をサポートします。まもなく販売終了となる製品については、推奨の代替製品が提案されます。

AXIS Device Manager Extendを使用することで、すべてのデバイスが最も安全な最新ファームウェアバージョンを実行していることを確認し、数分で目的のバージョンを展開することができます。また、新しいファームウェアや推奨ファームウェアのアップグレードを自動的にチェックし、複数のサイトや場所にまたがる組織全体のファームウェアを一度にインストールすることができます。基本的なセキュリティポリシーを設定し、ネットワーク全体に適用することで、すべてのデバイスが最新のセキュリティポリシーに準拠していることを確認し、サイバーセキュリティの管理を維持することもできます。

アプリのインベントリを表示して、実行中のアプリケーションやバージョンを確認し、新しいアプリケーションを簡単に適用することができます。たとえば、数百のアプリケーションを一度に起動することができます。AXIS Video Motion Detection、AXIS Motion Guard、AXIS Fence Guard、AXIS Loitering Guardのポリシーサポートがあります。つまり、サポートされているアプリケーションのインストール、更新、再インストールを適切なタイミング (夜、朝、夕方、午後、またはできるだけ早く) にスケジュール設定して自動的に行うことができます。

重要なイベントは、システムログに自動的に保存されます。これには、ユーザーアクティビティ、装置のステータス、ネットワークステータスなどの項目が含まれます。

一般的なシステム設定

次項のシステム設定図の接続に関するガイド。

接続

URLとIP

ポート

プロトコル

コメント

A

prod.adm.connect.axis.com (52.224.128.152または40.127.155.231)

443

HTTPS

必須。

B

HTTP検出 (クライアントからエッジホスト)

37080

HTTP

サイトのプロビジョニングに必要。プロビジョニング後は任意。

データ転送 (クライアントとエッジホスト間)

37443

HTTPS

マルチキャスト検出 (クライアントからエッジホスト)

6801

UDP

マルチキャスト検出 (エッジホストからクライアント)

6801

UDP

C

データ転送 (エッジホストとデバイス間)

80 / カスタムポート、443

HTTP、HTTPS

必須。

ユニキャスト検出

1900

SSDP、Bonjour

Multicast検出

1900, 5353

マルチキャスト

HTTP検出

80, 443

HTTP/HTTPS

D

signaling.prod.webrtc.connect.axis.com

443

HTTPS

WebRTC標準に基づく。任意。デフォルト設定ではオフに設定されている。

*.turn.prod.webrtc.connect.axis.com

443, 5349

HTTPS、DTLS (UDPおよびTCP)

E

Peer to Peer (P2P)

49152-65535

DTLS (UDPおよびTCP)

単一のサイト

この単一サイトの設定では、接続Aと接続Cが必須です。クライアントとエッジホストは相互に直接接続され (接続B)、ファームウェアの更新やその他のサポート情報を取得できるようサービスプラットフォームに接続されます (接続A)。システムのプロビジョニングが完了したら、エッジホストとローカルクライアント間の接続 (B) を、エッジホストとリモートクライアント間のリモートアクセス (DまたはE経由) に置き換えることが可能です。

    ローカルおよびリモートアクセスによる単一サイト向けの一般的な設定。
  1. Axis
  2. IDおよびアクセス管理 (My Axis)
  3. 組織データ
  4. ローカルクライアント (インターネット接続あり)
  5. エッジホスト (インターネット接続あり)
  6. デバイス
  7. VMS (ビデオ管理ソフトウェア)
  8. TURN (NATに関するリレーを使用したトラバーサル)
  9. シグナリング
  10. リモートクライアント
  11. リモートアクセス WebRTCサーバー
  12. サイト

ローカルとリモートアクセスを使用した複数サイト

リモートクライアントと各エッジホストが通信することで、組織の個別サイトを管理できるため、効率的に複数のリモートサイトを管理することができます。

この複数サイトの設定では、接続Aと接続Cが必須です。システムのプロビジョニングが完了したら、エッジホストとローカルクライアント間の接続 (B) を、エッジホストとリモートクライアント間のリモートアクセス (DまたはE経由) に置き換えることが可能です。

    ローカルとリモートアクセスを使用した複数サイトの設定。
  1. Axis
  2. IDおよびアクセス管理 (My Axis)
  3. 組織データ
  4. ローカルクライアント (インターネット接続あり)
  5. エッジホスト (インターネット接続あり)
  6. デバイス
  7. VMS (ビデオ管理ソフトウェア)
  8. TURN (NATに関するリレーを使用したトラバーサル)
  9. シグナリング
  10. リモートクライアント
  11. リモートアクセス WebRTCサーバー
  12. サイト 1
  13. サイト 2
  14. サイト 3